ハワイの英雄 vol. 1

昨日はハワイ大学(UH)のフットボールゲームがあった。 カレッジフットボールは日本でいう甲子園、試合以外にも涙あり笑いあり、多くの人が心を熱くしてテレビの前で応援する。 な・の・に・・・昨日のノースショアでは、どこのバーもカレッジフットボールを放映せず・・・でもそこには原因がある。 2年前の今頃はハワイ中の人々がテレビの前にかじりつき、ハワイ大学のチーム「UH ウォーリアーズ」を応援していた。その応援の凄さといえば、近所から大きな声援が常に聞こえ、テレビがなくても試合状況がわかるほど。 そこには一人の青年がチームを盛り上げ、UHウォーリアーズをハワイ史上初の最強チームにしたこと。 彼の名はコルト・プレナン。 彼が卒業したと同時に名コーチも移籍。チームも一挙に勢力が途絶え、今ではテレビ放映さえも減ってしまった・・・ 改めて崇拝する彼の存在。 当時のUHフットボールは本当に凄かった。フットボールの知らない私でさえも、涙を流してしまうほど。 私も同時期にハワイ大学へ通い、選手達の勉強を手助けしていたことがあるため、当時のことがとても身近に感じる。 今日彼について改めて記事を読んだけれど、彼の話は凄すぎて1日では書ききれないほど。 でも、この話は多くの人とシェアしたいので、少しずつ書くことにした。 ============================================================================= フットボールはアメリカの国技のひとつとして知られる。そして唯一プロリーグのない州がハワイ。 UHのフットボールは以前から「弱小チーム」として知られ、才能のある選手達はハワイ大学でプレーをしたがらない。そのためUHウォーリアーズが強くなれる日は今までになかった・・・ そんなある日、コロラド大学で1人の名プレイヤーが大問題を起こしてしまった。それがコルト。お酒に酔っ払ったコルトは女性寮に忍び入り悪ふざけをしてしまう。 度が過ぎていたため警察に逮捕されてしまうのだけれど、その当時コロラド大学のフットボールチームは性犯罪についての疑惑が多くかかっていたため、想像よりも深刻な問題に転じてしまった・・・ もちろん大学からは追放され、収容所にも送られた。それからも犯罪者として裁判の繰り返しの日々。 プロリーグ(NFL)に期待されていたのに、これで将来がなくなってしまった。けれどフットボールをしたいという気持ちは消えず、運よく両親のつてで、カリフォルニアの小さなカレッジでフットボールをプレーできるようになる。 そこでは心を入れかえフットボールに打ち込み、なんとそのチームを一挙にチャンピオンシップへ連れいて行ってしまうものの、まだ社会はそう簡単に許してくれない。 そんな時スポーツ・レポーターがそのチームのビデオをハワイ大学のコーチ陣へ見せた。目的はコルトではなく、他の選手の移籍が目的。なのに当時のヘッド・コーチはコルトから目が離せなくなってしまう。 ヘッド・コーチの名はジューン・ジョーンズ、NFLのコーチ経験もある名コーチ。ジューン・ジョーンズはその2人の選手をハワイへ招き、インタビューすることにした。 ハワイ大学は有能な選手が欲しいため、2人にかなりいい条件を出した。1人はこの条件を蹴り他の大学へ進み、一方コルトは受け入れるのだけれど、それはおいしい条件だけではなかった。 アメリカ本土でのバッシングに精神的にいっぱいだっため、ハワイの美しさ、そしてメローなペースにすっかり癒されたという。「この島で人生をやり直したい」という気持ちから、ハワイ大学への移籍を決定。 でもここで問題がひとつあった。通常移籍選手の場合、特に問題を起こしてしまっている選手は突然1軍からのスタートができない。そこで彼の才能を見抜いていたジューン・ジョーンズは、ハワイ大学の説得へ入る。 す・る・と・・・ハワイでは「青年の過去の失敗はしょうがない」というとっても心の大きな文化を持っているので、問題児はウェルカム、以外にすんなりと問題が片付いてしまった。 これもハワイならでは それどころかUHウォーリーアズの選手達はサモアやトンガの血統が多く、トップ選手でさえも前科もちが多い。 コーチ陣も、 「カレッジ・フットボール協会を通して選手を探すよりも、収容所へ行ったほうがいい存在が見つかると思う・・・」 と冗談を飛ばすほど・・・そして「前科者」ということが大きな心の傷であるコルトに対して、 「ハワイでは普通のことだから、全く気にすることはない。」   (ハワイの現状を良く知る人には、笑ってしまうほどの事実) と言って、コルトが思い切りプレーできる環境を作った。 ここからコルトのハワイでの旅が始まる・・・